沖縄の方より相続に関するご相談
2023年03月10日
Q:遺産は法定相続分で分けなければならないのでしょうか。行政書士の先生にご相談させてください(沖縄)
母の相続について相談があり問い合わせいたしました。
沖縄に長年住んでいる母が先月なくなりました。10年前に父および兄が他界していますので、相続人となるのは、私と兄の子ども達(2人)と思っています。
母の遺産は沖縄の自宅と預貯金です。私は沖縄の自宅に母と一緒に暮らしていたため、自宅をそのままの形で相続し住み続けたいと考えています。しかし、もし法定相続分で分けるとなると、自宅を売却しない限り、兄の子ども達と平等に分けることができません。
兄の子ども達は比較的柔軟に対応してくれそうですが、そもそも遺産は法定相続分で分けなければならないのでしょうか。法律の知識がないため、行政書士の先生にご教授いただけると嬉しいです。
A:法定相続分で分ける必要はありません。話し合いで自由に決めることができます。
民法には法定相続分についての記載があるため、「その通りに分けなければならない」と思う方もいらっしゃいますが、必ずしもその割合で遺産を分ける必要はありません。相続人全員が合意すれば、どのように分けても問題はありません。
今回のご相談の場合、法定相続分はご相談者様が1/2、お兄様のお子様が1人あたり1/4です。しかし、どのように分けるのかは遺産分割協議次第ですので、仮に沖縄の自宅の評価額が2000万円、預貯金が1000万円だとした場合、全員が納得すれば、ご相談者様が自宅を、お兄様のお子様が500万円ずつ相続するというように分けることも可能です。
ただしあくまで全員が合意することが前提です。お兄様のお子様たちが納得しない場合、自宅をそのままの形で相続するならば、ご相談者様が代償金を支払うという方法もあります。
ご相談者様のご希望もあるかと思いますが、一方的に遺産分割案を提示すると、お兄様のお子様たちに不安視される恐れもあるでしょう。まずはお母様の財産全てについてまとめた財産目録や根拠資料をお兄様のお子様たちにご確認いただき、皆様で話し合う場を設けることをおすすめいたします。
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