相談事例

沖縄の方より遺言書についてのご相談

2024年07月03日

Q:行政書士の先生に質問です。両親の署名がある遺言書は遺言書として使用することはできますか?(沖縄)

定年後沖縄に移住し、暮らしていた父が先日亡くなりました。父が遺言書を遺しており、遺言書を家庭裁判所で検認してもらったところ、父親が所有する沖縄のマンションや銀行口座にある財産の分配方法について書かれており、父親と母親の連名で署名されていました。母に聞いてみたところ、生前二人で話し合って作成したそうなのですが、このような遺言書は遺言書として効力を持つのでしょうか。このような相続手続きを行うことは初めてのため、行政書士の先生にお伺いしたいです。(沖縄)

 

A:二人以上の署名のある遺言書は無効となるため、効力を持ちません。

結論から申し上げますと今回のような二人以上の署名のある遺言書については無効となります。その理由としては以下の点が挙げられます。

共同遺言の禁止:民法において、二人以上の者が同一の遺言書を作成することは禁止されています。遺言書は「遺言者の自由な意思を反映させることを基に作成される」ものであり、遺言者が二人以上いる場合には遺言者の自由な意思が反映されていない可能性があります。

遺言書の撤回についての自由:遺言者は作成した遺言書を自由に撤回することが可能ですが、連名で作成されていた場合には撤回するためにはもう一人の方の同意が必要となります。

遺言書は亡くなった方が最終的な意思を残すための大切なものとなります。今回のご相談者様のようにご自身で遺言書を作成し、保管しておく遺言書を「自筆証書遺言」といい、費用もかからず手軽に残すことができますが、せっかく作成した遺言書が形式の沿っていなかったために無効となってしまうことがあります。無効になってしまうことのないよう、遺言書の作成をする際には相続手続きに詳しい行政書士などの専門家へ相談することをおすすめします。

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